"Midi It!" は、Macintosh のシーケンサー・ソフトウェアで読み込めない Standard MIDI File を読めるようにするためのユーティリティー・プログラムです。
"Midi It!" は、正体の分からないファイルの先頭を読込み、そのファイルが Standard Midi File であるとみなせるかどうか判断してファイル・タイプを 'Midi' に変更します。同時にファイル・クリエーターを、予め設定されたアプリケーションのクリエーターに変更します。
"Midi It!" は、ファイル情報を変更するだけで、データそのものは何も加工しません。
おそらく、"Midi It!" が最も活躍する場面は、DOS 形式の Standard MIDI File を Apple File Exchanger などで Macintosh に持ってきた時でしょう。あるいは、コンピューター通信でダウンロードしたファイルが、Macintosh 以外のコンピューターで作られた Standard MIDI File の時かもしれません。
通常、これらのファイルのファイル・タイプは 'TEXT' や 'BINA' になっており、一般の Macintosh のシーケンサー・ソフトウェアでは読むことができません。Standard Midi File のファイル・タイプは 'Midi' と決められていて、それ以外のファイル・タイプは、例え中身のデータが正しい Standard Midi File であっても、それとは認識してくれないのです。そんな時は、ファイル・タイプを 'Midi' に変更してあげれば良いのです。
ロックされたファイルの多くは、DOS format の商品データです。これらの商品は、著作権保護の理由から、DOS の上では Read Only の設定になっています。Apple File Exchanger は、このようなファイルを Macintosh にコピーする際に、自動的に Lock Bit を付加するのです。DOS の Read Only Permission と Macintosh の Lock Bit は厳密に同じ意味でしょうか?
いずれにせよ、ユーザーのしたい事は、ただ Standard MIDI Files のデータを聴きたいだけなのです。そのために Apple File Exchanger を使った上、そのままではアプリケーションが読んでくれない事を知り、タイプを変更しようとして、「ファイルがロックされています」という身に覚えのない警告を与えられた上、Get Info して、ロックのチェック・ボックスを解除し、やっとファイル・タイプを変更できるのです。
その手間を一つでも減らす事が、不正な行為でしょうか? もちろん Lock Bit は元通りにセットしてあります。
以上のように考えた末、Lock Bit を無視した処理を行う事に決めました。それでも、事前に Finder が警告を発するのを止めさせることはできませんでした。
7.3. 開発環境
Machine: Macintosh IIvx with System 7.5.1 and Japanese Language Kit